賃貸マンションの探し方と契約手順

それぞれの部屋で家主が違う

家主さんは分譲された物件を賃貸に出されます。ですから物件が100件あれば100組の家主さんがいるわけです。家賃収入をローンの返済に充てて、頃合を見計らって転売する。一つの投資スタイルです。

同じ間取りでも物件によって内装も家具も違うのはこのためで、家賃が違うのも家主さんが違うからなのです。

また、デベロッパーが物件を分譲せずに賃貸に出すケースもあります。この場合は条件が統一されていますので家賃の設定も明確です。

一つの物件を複数の業者が斡旋できる

家主さんは早くテナントを見つけるために複数の不動産業者に物件の情報を提供します。物件見学中に別の業者さんと鉢合わせるになることもしばしば。ですから家主さんは同時に複数の相手と交渉されることもあります。

基本的な間取り

studio(ワンルーム)から3LDKくらいが一般的で、2ベッドルーム以上はバスルームが2つあるタイプが多く、3LDK以上になるとメイド部屋やメイド用トイレが付くものもあります。 ベランダ付きは珍しく、押入れはまずありません。

サイズはスクエアフィート(1square foot = 0.09290304 m2)のグロス表示です。建物によって多少の差はありますが、実用面積は80%程度です。

契約手順

  • @ 希望条件決定
  • A 物件下見
  • B 交渉条件決定
  • C 交渉
  • D 仮契約
  • E 本契約
  • F お引渡し

何事も交渉次第

交渉に際し、全ての条件を固めている家主さんは多くありません。特に個人の家主さんは大まかな条件設定です。

家賃、契約開始日、家具の内容等交渉によって決まります。家具は家主さんに予算を設定してもらい、自分で購入することも交渉次第では可能です。

家主によって対応がまちまち

条件の設定、入居後のトラブル対応、退去時のデポジットの返金等、家主さんによって対応が異なります。

トラブル

家具、家電製品の故障やバス、トイレの水漏れ等のトラブルは付き物です。フラット内のトラブルは全て家主さんが対応してくれるわけではありません。その都度家主さんと相談になります。

初期費用

手付金・・・・・・・・・・・・・・・・・・月額家賃の1か月分
デポジット・・・・・・・・・・・・・・・・月額家賃の2ヶ月分
STAMP DUTY (13ヶ月〜36ヶ月の契約) ・・(月額家賃×12×0.5%+5)除2
仲介手数料・・・・・・・・・・・・・・・・月額家賃の半月分
*家賃に管理費、Ratesが含まれていない場合は別途精算が必要です。

月々の費用

家賃のほかに管理費、Ratesといった費用について

最近は全て込みで家賃を設定される家主さんが増えています。

一般的な家具

リビング・ダイニングルーム

  • 応接セット(ソファー、コーヒーテーブル)
  • テレビキャビネット
  • テレビ、ビデオ
  • ダイニングテーブル、椅子
  • 靴箱

寝室

  • ベッド
  • クローゼット

キッチン

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 電子レンジ

その他

  • カーテン、照明、エアコンは各部屋

お部屋探し編

1. 条件の優先順位付け

お部屋探しは条件を決定することから始まります。
予算はもちろん、エリア、広さや部屋数、階数、部屋の向き、通勤通学買い物の便など。
全ての条件を満たせればよいのですが、時間も限られているためそうも行きません。「帯に短いし、襷に長いし」物件ご案内後にお客様がよく口にされるコメントです。
「これだけは妥協できない」と言う条件は皆さんお持ちのはずですから、それぞれの条件に優先順位をつけて下さい。
物件を見学する際に常に一定の基準で判断できるようにすることは入居後、後悔しないためにもとても重要なことです。

2. 物件の見学

物件を見学する際は家主さんに予約を取り物件の鍵を開けてもらうケースが一般的です。物件ごとに見学時間が決まっていますので一つの物件にあまり時間をかけられません。まずはポイント押えて有力候補を絞り込み、その後各物件を吟味するほうがよいでしょう。

  • 家主さんの人柄
  • 家具、電気製品の状態
  • 給排水の状態
  • 水漏れ、雨漏れの痕跡の有無
  • 日当たり、騒音、方角

「早く決めないとなくなりますよ。」’”不動産会社の常套句“として揶揄されることもしばしばですが、香港の不動産流通の仕組み上これはある意味正論です。マーケットに出た物件は様々な業者から引き合いがあるわけですから、決めるのであれば早いに越したことはありません。
但し、状況説明と急かすのはぜんぜん違いますから、私たちも注意が必要ではあります。「物件は生ものだ」と言う認識は持って置いてください。
最初から対象エリアや対象物件が絞り込めて入るようでしたら、各物件の見学時間に余裕を持った設定も当然可能です。

3. 交渉対象物件、要求内容の決定

交渉の対象が決まれば、今度は要求内容を決めます。家主さんとの契約条件交渉は後にも先にもこのタイミングだけですから洩れのないのように留意し、要求項目に優先順位をつけて下さい。 「どこまで要求できるのか」と言う限界点については家主さん方によって様々です。ですが、まずは御自分の希望を決めた上で当社にお知らせ下さい、要求項目をいただいた上で内容を検討し家主さんとの交渉に当たります。

例えば要求項目を1〜10まで決定し家主さんと交渉します。意外とあっさり要求が通り「もっと欲しいものがあったのになぁ」なんて後悔することにもなりかねません。ここで追加交渉すると家主さんは条件が決まったと思っているので急に態度を硬化させてしまいせっかくの物件が流れてしまうこともあります。
とにかく最初は遠慮せずに希望を出すことが重要です。

主な交渉条件

  • 月額家賃*1
  • 管理費*2、Rates*3の取り扱い
  • 契約期間*4、契約開始日*5
  • 家具*6の追加、交換

4. 条件の交渉

決定した要求項目を基に家主さんとの交渉を当社が行います。一回で交渉がまとまれば良いのですが、通常はこちら側の優先順位と家主さんの優先順位は違いますから家主さんと何度かのやり取りがあります。ここで重要なことは意思決定のスピードです。優先順位の変更や要求内容の変更など交渉の過程で家主さんの対応を見極めながらお客様と相談し交渉を進めていきます。そしてベストの条件を引き出します。

当社には条件決定の権利はありません。契約へ進むか別の物件を探すかはお客様に決めていただかなければなりません。お客様からいただいた条件や御希望にそって交渉していきますが。家主さんの価値観、家主さんの財政状況、競合相手の有無などによって回答にかなりの開きがあります。当社が交渉することによって全ての条件を家主さんが呑まれるわけではありません。また、必ずしもお客様に100%ご満足いただける回答を得られるケースばかりではありません。家主さんからの回答。これもお客様が意思決定をされる際の情報だと考えます。

5. 仮契約

条件が決まれば仮契約です。仮契約は条件が決まれば時間を空けずに行う必要があります。仮契約が設立しなければ物件を押えたことになりません。
仮契約書は家主さん、お客様が同意した内容に沿って当社が作成し、お客様と家主さん、当社が署名します。その際、手付金として契約家賃の1カ月分を家主さんにお支払いいただきます。

6. 本契約

本契約書は通常当社が用意しますが、家主さんの意向で弁護士が作成する場合もあります。テナントが会社になる場合は契約に際しての会社のルールがありますので総務担当の方に確認が必要です。
本契約の時にデポジット*9(敷金)を家主さんへお支払頂きます。

7. 物件引渡し

通常デポジットの支払いと引き換えに物件の鍵をもらいます。
そして主に以下のようなポイントで物件をチェックします。

  • 仮契約で約束したことは守られているか。
  • 家具リストと実際に置いてある家具は合っているか。
  • 渡された鍵でドアは開くか。

何か問題がある場合はその程度にもよりますが、基本的に物件引渡し書*11に内容を明記し、家主さんに至急対応してもらいます。

8. 契約に関する費用

  • @ 手付金・・・・・月額家賃の1ヶ月分
  • A デポジット・・・月額家賃の2ヶ月分
  • B STAMP DUTY (13ヶ月〜36ヶ月の契約)(月額家賃×12×0.5%+5)|2
  • C 仲介手数料・・・月額家賃の半月分

9. 補足説明

1) 月額家賃

毎月決められた期日までに家主へ支払う。支払方法は自動引き落とし、チェックの郵送、指定口座への振込みなど。
家賃に管理費、Ratesを含めるか、含めないかも明確にする。

2) 管理費

月々管理会社へ支払う。建物によって異なり、フラットの広さを基準に設定されている。通常家主さんの負担。

3) Rates

意味合いとしては不動産使用税。政府評価額(年間家賃総額。毎年変動)の5.5%を年に4回に分けて(1月〜3月分・・・10月〜12月分)政府へ支払う。通常家主さんの負担。

4) 契約期間

通常は2年間でテナント側にのみ解約オプション(契約開始後12ケ月経過した時点で2ヶ月前の通知により契約を解除できる。)設定。
最近は家主側でも12ヶ月後に2ヶ月前の通知により解約を解約できる事が増えています。

5) 契約開始日

家賃支払いの基準日。毎月この基準日までに翌日分の家賃を支払う。
一般にマーケットに出ている物件は空き物件が多いため、仮契約後本契約まで1ヶ月以上の空白は交渉上不利な材料となる。

6) 家具

リビング.ダイニングルーム

  • 応接セット (ソファー.コーヒーテーブル)
  • テレビキャビンネット
  • テレビ.ビデオ
  • ダイニングテーブル.椅子
  • 靴箱

寝室

  • ベッド
  • クローゼット

キッチン

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 電子レンジ

その他

  • カーテン、照明、エアコンは各部屋
  • 除湿機

7) 手付金

通常月額家賃の1ヶ月分。テナントの都合で仮契約をキャンセルされた場合は倍返し。 この手付金は契約開始後の最初の家賃に充当される。

8) デポジット

通常は月額家賃の2か月分。家主によっては月額家賃の3か月分を要求する場合や別途管理費、Ratesもデポジットの対象とする場合も有る。
デポジットは契約終了後に無利子で返金される。但し、物件の状態に問題がある場合や家具、電気製品が故障していた場合はその修理代金を差し引かれることもある。

9) 不具合

様々な不具合が予想され、その内容によって対応も変わってくる。至急修理を必要とする場合、様子を見て後日対応する場合、特に修理等を行わない代わりに退去時の現状復帰の対象外とする場合など。

10) 物件引渡し書

鍵の引渡しの際、鍵の数や電気、水道、ガスのメータの値を記入する。そのほか不具合箇所があれば合わせて記録し家主、テナントの双方がサインする。